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企業版ふるさと納税活用事例

建設業界の人材会社レクリーが体現する社会貢献のあり方

公開日 : 2026年 9月17日就業支援人材育成

取材者日下智幸 / 瀬戸株式会社

多くのメンバーが働く株式会社レクリーのオフィス風景

【画像】多くのメンバーが働く株式会社レクリーのオフィス風景

建設業界に特化した人材紹介サービス「ジョブリー建設」を運営する株式会社レクリーは、日本のインフラを支えながらも深刻な人材不足に直面する業界の課題に向き合ってきました。今期大きな利益を計上したことを機に企業版ふるさと納税の活用を検討し、方針を決めてからわずか3日というスピードで、全国30の自治体への寄付を実施しました。寄付をきっかけに社内に生まれた変化や、社会貢献への思いを、CTO兼ジョブリー建設事業責任者の中村充さんにお話を伺いました。

建設業界の人材不足に向き合う企業が、社会貢献に目を向けた理由とは

東京都豊島区に本社を置く人材会社、株式会社レクリーは建設業界に特化した人材紹介サービス「ジョブリー建設」を中心に事業を展開しています。建設業界は日本のインフラを支える重要な産業でありながら深刻な人材不足に直面しており、同社は人材のマッチングを通じて、企業の採用課題と、働く人のキャリア形成の両方を良くしていくことを目指してきました。
今回、大きな利益が見込まれたことが、企業版ふるさと納税の活用を検討するきっかけとなりました。「かなりの利益が出ることが確定したことで、どのように税を納めるかということを税理士に相談した結果、企業版ふるさと納税を活用することになりました」とCTO兼ジョブリー建設事業責任者の中村充さんは振り返ります。企業版ふるさと納税を単なる節税対策としてだけでなく、会社として社会に還元する手段のひとつとして捉えたことが、今回の取り組みの出発点だったといいます。

オンラインで作業を進める中村さん

【画像】オンラインで作業を進める中村さん

方針決定からわずか3日。オンライン完結の使いやすさが後押し

寄付を実施する方針を固めてから実際に寄付先を決定するまでにかかった時間は、わずか3日程度だったといいます。「どこにしようとなるまでは、一瞬でしたね」と中村さんは話します。
進め方はいたってシンプルでした。社内に大きなCSR部門を設けているわけではなく、中村さんがほぼ一人で寄付先となる自治体を選定。寄付可能な事業を確認したうえで申し込みを行ったといいます。複数自治体への寄付となるため自治体ごとの申し込みや確認には一定の作業量が発生したものの、一度流れを整理すると進めやすかったといいます。
寄付先の選定にあたって中村さんが特に重視したことは「オンラインで手続きが完結すること」でした。「過去にも寄付の経験がありますが、手紙のやり取りが必要だったり、実際にオフラインで対面しなければならなかったりと、その対応は自治体によって様々でした。これでは本業のリソースを割くことになり、むしろマイナスになってしまいます」。今回も、申し込みを進めていたある自治体では、クレジットカード決済ができないことが分かった時点で寄付を見送ったといいます。企ふるオンラインのようにオンラインで完結するサービスの存在が、今回、幅広い自治体への寄付をスムーズに実現できた要因のひとつになりました。

レクリーが寄付した「地域子育て支援拠点事業」(大阪府枚方市)のイメージ

【画像】レクリーが寄付した「地域子育て支援拠点事業」(大阪府枚方市)のイメージ

未来への投資にかける強い思い。子育て・教育を軸にしたプロジェクトを選定

今回レクリーが選んだ寄付方法は、特定の1自治体に大きく寄付するのではなく、全国30の自治体に幅広く寄付する形でした。「もともと深い関係があった自治体を選んだわけではなく、特に何かのバイアスで判断しているということもありません」と中村さん。既存のつながりに頼るのではなく、企業版ふるさと納税という制度そのものを、まず広く活用してみようという考え方が根底にあったといいます。
一方で、寄付先で事業やプロジェクトを選べる場合には、子育て支援や教育に関する取り組みを優先しました。例えば、大阪府枚方市の「地域子育て支援拠点事業」や、神奈川県逗子市の「学校給食の安定的な提供」、兵庫県三田市の「妊娠・出産応援パッケージ」など、未来を担う子どもたちや子育て世代を支える事業を多く選んだといいます。
「日本は人口減少が進んでいます。経済力をどう上げていくかを考えたとき、子育てや教育への投資、労働の最適配置といったところが重要だと思っています」と中村さんは語ります。自社の事業が建設業界における労働の最適配置を担っていることとも重なるテーマであり、若い世代や次世代への投資という軸は、会社としても応援したいテーマだったといいます。

社内でのミーティングの様子

【画像】社内でのミーティングの様子

社内で広がった社会貢献の実感。副次的に生まれた認知とSEOの効果

寄付を実施してから日は浅いものの、社内にはすでに小さな変化が生まれているといいます。「自治体から感謝状などをいただく機会があり、それを社内で共有したところ、メンバーからは『自分たちの仕事や会社の活動が社会に還元されている』という声が上がりました」と中村さんは振り返ります。経営側だけでなく、社員や業務委託のメンバーにとっても、会社の社会的な意義を実感するきっかけになったようです。
対外的な広がりも生まれているといいます。まず、寄付先自治体のホームページで寄付企業として紹介されることで、レクリーという会社を知ってもらう接点が増えました。自治体サイトから自社サイトへのリンクが掲載されるケースもあり、「Web上での認知やSEOの観点でも一定の価値がありました」と中村さん。
「とはいえ、掲載やリンクを寄付の対価として期待しているわけではありません。あくまで自治体側の通常の寄付企業紹介のなかで生まれる、副次的な効果として捉えています。社会にお金を還元しながら、企業側にも何らかのメリットが生まれる仕組みであれば、継続可能な社会貢献の形になりやすいと考えています」

レクリーが運営する建設業界特化型求人サイト「ジョブリー建設」のトップページ

【画像】レクリーが運営する建設業界特化型求人サイト「ジョブリー建設」のトップページ

社会の利益と会社の利益は対立しない――レクリーが目指す持続可能な形

2019年の設立以来、レクリーは建設業界に特化した人材紹介サービス「ジョブリー建設」を主軸に事業を拡大してきました。社員数は約50名、業務委託を含めると80~90名規模と、急成長のさなかにあります。
会社として掲げる理念は「All for Joy」。仕事も、会社づくりも、社会への取り組みも、持続可能な形で価値を生み出していくことを大切にしているといいます。「社会貢献というと、企業側が一方的にコストを負担するものだと考えられがちですが、企業側にも広報や認知、自治体との接点といったメリットがあれば、継続しやすくなります。『社会にとって良いこと』と『会社にとって良いこと』を対立させる必要はないと思っています」と中村さんは話します。
「今回、複数自治体に幅広く寄付した理由は、企業版ふるさと納税を大きなCSR施策として構えるのではなく、まず実際にやってみて、その価値を検証したかったからです」と話す中村さん。今回の寄付には一定の手応えを感じているといい、「手間や工数が最小限で済むのであれば、来年以降もこの取り組みを継続していけそうです」と、次年度以降の寄付についても前向きです。「双方に価値がある仕組みをつくることで、結果として企業が社会に還元できる金額も増やすことができます。この点においても、企業版ふるさと納税はおもしろい制度ですね」と、制度の魅力についても話してくれました。

株式会社レクリー

語り手

中村充さん

株式会社レクリーCTO兼ジョブリー建設事業責任者

中村充さん

会社・団体名

株式会社レクリー

寄付したプロジェクト【株式会社レクリー】

 
寄附予定金額:-
自己負担額:-
自己負担割合:-
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