事業内容や理念への共感と税制面でのメリットが、意思決定の鍵に~株式会社ニシテック~
【画像】株式会社ニシテック本社の外観
徳島県徳島市に本社を構える株式会社ニシテックは、2024年に企業版ふるさと納税を活用し、徳島県那賀町の「プロスポーツによる地域活性化事業」へ300万円の寄付を行いました。寄付企業としての想いと、地域密着の取り組みについて、総務部の篠原良平さんにお話を伺いました。
同社は設備事業を通じ、人々の暮らしを縁の下から支えるエンジニアリング企業として、災害に強い・環境にやさしい豊かな地域社会づくりに貢献しています。
銀行からの紹介をきっかけに、初めての企業版ふるさと納税へ
同社が企業版ふるさと納税に取り組むことになったきっかけは、取引先である阿波銀行からの紹介でした。「それまでにも制度の存在は何となく知っていたものの、詳細までは把握していませんでした。そんななかで阿波銀行の担当者から具体的な提案があり、制度のメリットや意義について社内で検討。地元企業として地域に貢献したいという想いと、税制面でのメリットの両方が相まって、徳島県那賀町の事業に寄付することを決めました」と語る篠原さん。判断材料となったのは、企ふるオンラインに掲載されていたプロジェクトページのみでしたが、内容に共感できたため、迷うことなく意思決定が進んだといいます。
【画像】発電機をチェックする株式会社ニシテックの社員
スポーツを通して地域を応援したい
もともと同社は、徳島のプロバスケットボールチーム「徳島ガンバロウズ」やJリーグの「徳島ヴォルティス」のスポンサーを務めており、地域のスポーツ振興を支えています。
「当社はBtoBの事業を展開しており、一般消費者への知名度はそれほど高くはありませんが、地域密着のスポンサー活動を通じて地元でのブランド力を高め、人材確保にもつなげたいという狙いがあります。今回の事業は、すでにスポンサーとして関係がある徳島ガンバロウズの運営支援を含むものであったことから、提案を受けた際にも非常にスムーズに決定できました」と振り返る篠原さん。「寄付金額については、税制面での効果を最大限に活かせる300万円が妥当という判断に至りました」
【画像】洪水リスクを抑える排水ポンプ
税制面のメリットに加えて、地域社会への貢献に手応え
企業版ふるさと納税の最大のメリットは、やはり税制面の恩恵だったといいます。しかしそれだけでなく、地元で活動するプロスポーツチームを支援し、地域社会の活性化に貢献できるということに手応えも感じているようです。
「社長が元高校球児で野球好きということもあり、プロスポーツを通じたまちづくりや、子どもたちがプロスポーツにふれる機会の提供といったプロジェクトの方向性に共感している点は大きいですね。私自身もスポーツが好きで、地域がスポーツで盛り上がることは非常にうれしいことです」と語る篠原さん。今後、「プロスポーツによる地域活性化事業」が進むなかで、寄付がどのように活用され、どのような成果を生んだかといったフィードバックがあることを楽しみにしていると話します。
【画像】株式会社ニシテックのポスター
事業そのものが豊かな地域社会づくりに貢献している
同社の主な事業は、災害時にも稼働する非常用の自家発電設備や、雨水排水に関わるポンプ設備などの設計・施工・保守です。特に台風や豪雨の被害が多い徳島県において、洪水リスクを抑える排水ポンプの設置やメンテナンスは、地域社会の安全を守る重要なインフラ整備です。
「当社は昭和51年(1976)の創業以来、地域の“縁の下の力持ち”としての役割を果たしており、防災・減災の観点からも社会貢献性の高い事業を担っています。そのことはミッションにも掲げられており、全社員が心に刻んでいることだと思います。さらに、徳島市主催の清掃ボランティア活動「アドプト事業」への参加など、日常的にもCSR活動に取り組んでおり、社員が地域に対して誇りをもてるような企業風土づくりにもつながっています」と語る篠原さん。
【画像】那賀町からの感謝状
企業はプロジェクトへの共感を大切に、自治体は積極的な成果発信を
最後に、企業版ふるさと納税を検討しているほかの企業や、制度活用を推進したい自治体に向けて、篠原さんはこう語ります。
「企業が寄付先を決める上で最も重要なことは、プロジェクトへの共感です。創業者の出身地などで検討するケースもあるとは思いますが、それ以上に、プロジェクトの中身や理念が明確で、そこに共感できるかどうかが鍵になると考えています。今回も、もともと関わりのあったスポーツチームの支援というテーマが明確であったため、社内稟議もスムーズに進みました。また、自治体側にはプロジェクトの成果発信を積極的に行ってほしいですね。寄付後の成果や活用報告があることで、企業としても寄付して良かったと実感でき、納得感をもって次の支援に踏み出しやすくなります」
こうした循環ができれば、より多くの企業が前向きに制度を活用し、地域と企業の双方にとって持続的な関係づくりが可能になると考えられます。
語り手
株式会社ニシテック 総務部
篠原良平さん
会社・団体名 |
株式会社ニシテック |
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