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企ふるトレンド 制度を積極的に活用して、まちの魅力を発信したい~岩手県盛岡市~

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制度を積極的に活用して、まちの魅力を発信したい~岩手県盛岡市~

岩手県 盛岡市

公開日 : 2025年7月31日 関係人口の創出・拡大

取材者 日下智幸 / 瀬戸株式会社

心のふる里・盛岡を感じる、中津川沿いの散歩道。

【画像】心のふる里・盛岡を感じる、中津川沿いの散歩道。

北東北の中心都市のひとつ盛岡市。豊かな自然と文化に育まれたまちで、ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」でロンドンに次いで2番目に紹介されるなど、海外でも注目されています。しかし、魅力あふれるまちでありながら、高齢化や人口減少、厳しい財政状況が続いています。その中で、企業版ふるさと納税制度を積極的に活用しようとする取り組みを、担当者にお聞きしました。


企業版ふるさと納税の活用に前向きに取り組む


今回お話を伺ったのは、盛岡市企画調整課都市戦略室で企業版ふるさと納税を担当する藤原さんと、前年度の担当だった宮崎さんのおふたりです。「これまでの企業版ふるさと納税の実績は、ハード事業のプロジェクトに寄附が集まった2020年度と2021年度がそれぞれ2億円強、2022年度と2023年度がいずれも2,030万円でした。金額としては大きく、事業を円滑に進めるにあたり大きな助けになりました」と宮崎さんは話します。「まだまだ取り組みははじまったばかり」というものの、寄附獲得に向けて積極的な動きをみせており、全庁を挙げての取り組みへと発展しています。

水鏡に映る岩手山。四季のうつろいが彩る、北東北ならではの風景美。

【画像】水鏡に映る岩手山。四季のうつろいが彩る、北東北ならではの風景美。

全庁を挙げての制度活用。担当課独自の動きにも期待


全庁を挙げての制度を活用するメリットとして、各部署の担当者が主体的に動くことで企業からの公募に迅速に対応でき、寄附の獲得につながりやすいことが挙げられます。「riverを通じて脱炭素への取り組みに対する寄附の公募があったのですが、環境企画課の担当者がriverに登録していたおかげで、いち早く公募を見つけることができました。直ちに応募し、その後の審査を経て寄附をいただきましたが、担当者が直接企業とやり取りを進めたことにより、スピーディな寄附につながったと考えています。」と宮崎さんは話します。企業版ふるさと納税制度を活用した地域課題解決プラットフォーム「river」は、オンライン寄附サービス「企ふるオンライン」の基盤でもあり、企業からの寄附の公募はriverを通じて各自治体に送られます。現在、riverを活用している多くの自治体では、企業版ふるさと納税の担当者のみがriverに登録していることが多く、各部署の担当者が登録していることは希なことといえます。その後、盛岡市では、制度のしくみやriverの活用方法などを全庁へ周知するため、庁内勉強会を開きました。「少しずつではありますが、庁内の制度への理解・活用が進んできていると考えております。」と、藤原さんは話しています。

明治の面影を今に伝える、盛岡のランドマーク・岩手銀行赤レンガ館。

【画像】明治の面影を今に伝える、盛岡のランドマーク・岩手銀行赤レンガ館。

寄附は市の運営や施策遂行に不可欠


また、積極的な取り組みが寄附につながった例としては、気候変動対策としての公用車のエコ化事業があります。「もともと取り組んでいた事業ですが、ちょうど株式会社IDOMさんが公募したハイブリッド車両の寄附に応募したところ、3台の中古車両を寄附いただくことができました。決してエコとはいえない古い公用車を、独自の財源では到底買えないような立派な車に置き換えることができ、毎日活用させていただいています」と宮崎さん。これも、公募に対してすばやく反応できたことが、寄附獲得の大きな要因だといえるでしょう。「これまでにいただいた寄附は市の運営に大きな役割を果たしており、本当に感謝しています。今後も全庁を挙げて企業版ふるさと納税に取り組み、施策の遂行に役立てたいです。」と続けます。

新動物病院建設プロジェクト

【画像】新動物病院建設プロジェクト

動物の命を守りたい。先進的な取り組みで寄附に期待


様々な施策に取り組むなか、盛岡市では2つのプロジェクトに力を入れているといいます。ひとつが盛岡市動物公園ZOOMO(ズーモ)内にある動物病院を移転新築するプロジェクトです。「現在、ZOOMOでは約60種300頭羽が園内で暮らしており、地域の野生動物の保護にも携わっています。飼育動物や地域の野生動物の命を救うためには、よりよい獣医療の提供ができる施設の整備が必要です。また、治療の様子が見られるようにすることで、訪れた方が命や自然環境の大切さを感じ、考えるきっかけになるような施設を目指しています。」と藤原さん。「見える動物病院」は国内でも先進的な取り組みといえ、企業からの寄附に大きな期待を寄せているといいます。


新動物病院建設プロジェクト

関係人口等交流拠点「盛岡という星でBASE STATION」運営事業

【画像】関係人口等交流拠点「盛岡という星でBASE STATION」運営事業

若者たちとともに、活力あるまちづくりを


もう一つが、関係人口などの交流拠点を運営するプロジェクトです。盛岡市では、進学や就職の機会に東京圏に転出する若者の割合が大きいことが人口対策を進めるうえで大きな課題となっています。そこで、市外に居住しながらも盛岡市に継続的に関わる「関係人口」の考え方に重点を置き、官民共創プロジェクト「盛岡という星で」を立ち上げました。SNSを活用した若年層への情報発信などの取り組みを進め、2021年には関係人口等交流拠点「盛岡という星でBASE STATION」を地域の百貨店に設置しました。「ここでは、移住相談や専門人材と企業のマッチング、ワーケーションの誘致など、様々な企画を展開しています。地域の担い手となる若者とつながることで、活力と賑わいのある未来のまちづくりを進めていきたいです。」と藤原さんは事業への思いを話します。
関係人口等交流拠点「盛岡という星でBASE STATION」運営事業


ほかにも、様々なプロジェクトで企業版ふるさと納税を活用した寄附に期待を寄せているといいます。「新規事業や既存事業の拡充には、財源が必要になりますが、当市の厳しい財政状況においては、寄附金や交付金など、その他の財源がないと予算を組むことさえ難しくなります。」と藤原さん。また、「企業版ふるさと納税を単なる財源確保としてではなく、シティプロモーションの機会と捉え、魅力ある事業づくりを進めることができるよう、庁内各部署と連携して取り組んでいきたいです」と藤原さんは結んでくれました。
岩手県盛岡市

語り手

盛岡市企画調整課都市戦略室

企業版ふるさと納税担当の藤原さん、前任の宮崎さん

自治体

岩手県 盛岡市

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