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美しい海を守り続ける「サンゴの村宣言」SDGsプロジェクト

沖縄県 恩納村

公開日 : 2025年4月30日 観光・交流、 環境保全、 農林水産業

取材者 宮森祐巳子 / 言の葉・ライター

恩納村の美しいサンゴ礁

恩納村は沖縄島の中央部に位置し、西側全域に美しい海岸線が続いています。サンゴ礁が広がる海は多くの観光客を魅了していますが、近年、海水温の上昇や赤土の流入などによりサンゴが白化し、急激に減少しているのです。この美しい海を守るため、恩納村では「サンゴの村宣言」SDGsプロジェクトを展開しています。今回は、恩納村企画課企画係長の宇江城悟さんに、プロジェクトの背景や取り組みについて伺いました。


大規模な白化現象を受け、漁師たちから始まった活動


「きっかけは、平成10年(1998)の大規模な白化現象でした。このとき、モズクの生産量も激減。サンゴの減少と漁業の不振に因果関係があると考えた漁師の皆さんが、自らサンゴの養殖事業を開始したのです」と、宇江城さんは当時を振り返ります。
その後、村全体でサンゴ保全の取り組みが広がり、2004年には沖縄県内外の企業が集って「チーム美(ちゅ)らサンゴ」、2009年には賛同する生協、㈱井ゲタ竹内、恩納村、恩納村漁協4社でサンゴ礁再生事業支援協定を締結し、のちに「恩納村コープサンゴの森連絡会」、2017年には「恩納村赤土等流出防止対策地域協議会」を結成。サンゴ苗の植え付け、赤土流出防止対策や啓発活動などを展開し始めました。
こうした民間の動きを踏まえ、恩納村は2018年に「サンゴの村宣言」を行い、世界一サンゴと人にやさしいむらづくりを目指しています。

サンゴ苗を植え付ける様子

3月5日の「サンゴの日」に行われる大規模な保全活動


毎年3月5日は「サンゴの日」として、「恩納村Save The Coralプロジェクト」が実施されます。浜辺をきれいにする「ビーチクリーン」のほか、陸域の環境保全活動をする「グリーンクリーン」や、サンゴ苗の植え付けを行っており、2025年は総勢280名の参加がありました。
「サンゴ苗は岩盤に開けた穴に固定する方法のほか、恩納村漁業協同組合が考案した「ひび建て方式」も採用しており、海底の砂にパイプを突き立てて、その上でサンゴを育てています。この方式は、サンゴの下の方にも海流が通るので高温になりにくく、栄養分が運ばれやすいのです」と、宇江城さんはひび建て方式のメリットを語ってくれました。
しかし、2024年夏にはサンゴの白化が深刻化。8~9割のサンゴが死滅してしまったため、2025年のサンゴの日には、例年行っている苗の植え付けはできませんでした。現在は生き残ったサンゴを親株として育て、数年かけて再生を図る取り組みが進められています。

Green Finsのガイドラインに従ってダイビングを楽しむ観光客

世界基準のガイドライン「Green Fins」の導入


また恩納村は、日本で初めて「Green Fins(グリーン・フィンズ)」を導入しました。これはダイビングやシュノーケリングにおけるサンゴ保全のガイドラインで、日本では恩納村が初めて導入しており、世界では15カ国、約1,300以上のダイビングショップに採用されています。そして、他国では政府主導で導入している中、地方自治体が主となって本格導入するのは世界で恩納村が初めてです。
「恩納村には19の認定店があり、環境にやさしいダイビングを実施しています。例えば、魚への餌付けを禁止する、海洋生物を持ち帰らないなどのルールが設けられているのです。これにより、サンゴ礁の健全な生態系を維持しつつ、観光業の持続可能な発展を目指しています」と宇江城さん。

畑からの赤土流出を防ぐグリーンベルト

赤土流出防止のため、陸域で取り組む3つのプロジェクト


サンゴ保全には、海だけでなく陸域での取り組みも不可欠です。恩納村では、赤土流出を防ぐために以下の3つのプロジェクトを展開しています。


1)トラッシュ・カバークロップ:サトウキビの葉殻を畑に敷き詰める。
2)グリーンベルト:イネ科の植物ベチバー(ベチベルソウ)を畑の境界に植え、土壌流出を防止。刈り取ったベチバーは、しめ縄や帽子、バッグ、ブレスレットなどに二次活用。
3)ハニー&コーラルプロジェクト:サトウキビの収穫を終えた畑からの赤土流出を防ぐために花を植え、さらにミツバチを活用したハチミツ生産を行い、花が終わったらすき込んで緑肥とすることで、持続可能な農業を推進。

普及啓発活動も行い、未来に向けた継続的な取り組みを


恩納村では、普及啓発活動にも力を入れており、毎年、東京・池袋のサンシャインシティで開催される「沖縄めんそーれフェスタ」に出展し、都市部の人々にもサンゴ保全の重要性を訴えています。また、2006年から東京池袋のサンシャイン水族館主導で、恩納村のサンゴ苗をサンシャイン水族館で育て、成長したものを恩納村の海へ戻す取り組みも実施されています。
さらに、地元の小中学校でもサンゴの学習プログラムが進められており、小学生はサンゴの養殖や観察を体験し、中学生はそれらをSDGsへと昇華していき、地域社会の課題解決を目指して実践的に学びます。
「私どもはサンゴの村宣言とSDGsは切り離せないものと考え、持続性を重視して取り組んでいます。しかし、これらの活動を継続していくためには、企業や団体からの支援が欠かせません。この美しいサンゴを未来につなげていくために、ご支援いただければ幸いです」と宇江城さんは熱く語ってくれました。

語り手

恩納村企画課企画係長

宇江城悟さん

自治体

沖縄県 恩納村

沖縄県 恩納村 のプロジェクト一覧

 
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