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企業版ふるさと納税の最新市場動向を分析

公開日 : 2024年12月23日

取材者 宮森祐巳子 / 言の葉・ライター

第5回 2024年7月 調査結果 エグゼクティブサマリー

5年間の調査結果から見えてくるもの


企業および地方自治体を対象として2024年6~7月に実施されたアンケート調査を通じて、企業版ふるさと納税の最新市場動向が明らかになりました。本調査は、制度改正が行われた2020年度から毎年実施されており、今回で5回目となります。本記事では、市場の変化や課題、今後の展望について、riverパートナー企業の株式会社サイバーレコードの石野繁一氏が調査結果をもとに解説します。石野氏はアンケートの分析・レポート作成に関わってきたほか、企業版ふるさと納税における自治体と企業のマッチング支援にも尽力しています。


市場熱量の高まりと焦点の明確化


2020年度から続く調査で明らかになったのは、市場の熱量が年々高まっているという点です。寄付を実行した企業の割合が増加傾向にあり、自治体における寄付受け入れ件数や金額も増加が続いています。また、企業版ふるさと納税に対する否定的な回答は減少しており、自治体が積極性を高めていることを示しています。


特に大手企業では、検討の焦点が明確化し、自社にとっての社会的意義やメリットを重視する傾向があります。企業版ふるさと納税の初期段階では、代表者の出身地や地縁的つながりのある自治体に寄付をする事例が多かったものの、近年では自治体と企業が共同プロジェクトを通じて課題解決を目指す事例が増加しています。調査結果でも、寄付を実施したもっとも大きな理由として「実証実験などの協働実施に柔軟な対応を示してくれたから」「寄付以外の連携が並行して進んでいるから」の割合が高くなっています。

検討度合いの変化:積極的に検討する理由の調査結果グラフ

認知度の向上と受け入れ態勢の整備


調査では、企業版ふるさと納税の認知度が向上していることも確認されました。その背景には、政府やメディアの積極的な発信が挙げられます。アンケートによると、「世の中の注目度が上がった」(+12.6pt)や「競合他社が取り組みを始めた」(+8.6pt)といった回答が増加しており、同業他社の動きも寄付の決定に影響を与えていることが分かります。


また、全国約1,780の自治体のうち96%の地域再生計画が認定されており、寄付を受け入れる態勢が整備されています。これにより、企業と自治体の裾野が広がり、マッチングの機会が増加していることも普及を後押ししています。

寄附断念理由:寄付を断念したもっとも大きな理由の調査結果グラフ

情報のミスマッチが最大の課題


一方、課題として浮き彫りとなったのは、自治体の情報発信が不充分であり、企業が必要な情報を得るのに手間がかかる点です。特に、自治体が掲げるプロジェクト内容と企業の関心分野にズレがあることが分かりました。例えば、自治体は観光交流や移住促進に重点を置く一方、企業は人材育成やイノベーションに関心を示しています。


また、地域再生計画が包括的な内容で認定されているため、募集内容が漠然としている自治体が多く見られます。そのため、具体的なプロジェクト内容を発信している自治体が少なく、企業が必要な情報を適切に取得できない現状があります。

自治体による認知活動についての調査結果のグラフ

自治体の認知活動とマッチングツールの役割


情報のミスマッチを解消し、企業版ふるさと納税の可能性を最大化するためには、自治体の認知活動が重要です。多くの自治体では、地域再生計画の認定後に地元の特色を活かした広報活動を行っています。具体的には、ホームページやパンフレット作成、企業への直接アプローチ、地元メディアでの報道などが挙げられます。


一方、従業員数が1万人以上の企業では「相談プラットフォーム」の利用意向が増加(7.6pt)しており、情報収集を効率化する仕組みが求められています。この点で注目されるのが、企業版ふるさと納税プラットフォームriverのサービス“企ふるオンライン”です。プロジェクトを自治体名やテーマなど多様な切り口で検索できる機能があり、企業の利便性が向上しています。また、企業からの寄付相談を自治体に一斉通知する機能が導入され、これまで接点のなかった自治体と企業が出会う機会が増えています。

株式会社サイバーレコードの石野繁一氏

今後の展望と市場の可能性


企業版ふるさと納税市場は、今後さらなる拡大が見込まれます。一方で、中小企業の認知度向上や自治体の情報発信力強化など、解決すべき課題も残されています。また、個人版ふるさと納税やクラウドファンディングとの連動も期待されています。


企業版ふるさと納税は、寄付がゴールではなく、その先にある企業と自治体間の継続的な関係構築を目指せる仕組みです。今後、企業と自治体の接点づくりを支える新しいツールや情報発信の強化によって、単なる寄付を超えた深い連携が可能となるでしょう。この制度を最大限に活用することで、企業と自治体がともに社会課題を解決し、持続可能な発展を遂げる未来が期待されます。そして、人・モノ・お金・情報が地方に流れ込み、地域の活性化が加速すると考えられます。


調査概要


調査目的
企業版ふるさと納税に関する実態調査を企業、地方公共団体双方に行うことにより、企業版ふるさと納税をより一層普及させる。また、定点調査により検討度合いの変化などを明らかにする。
調査手法
インターネット定量調査 (協力企業保有のメールアドレス、調査会社のパネルに対しアンケートを送付)
調査対象者条件
調査エリア:全国
【企業】CSR、SDGs、寄附いずれかを検討する部署で、意思決定もしくは意思決定の準備をする担当者
【地方公共団体】: 協力企業保有のメールアドレス、47都道府県推進リーダーからの拡散
サンプルサイズ
【企業】1,067サンプル
【地方公共団体】382サンプル
設問ボリューム
【地方公共団体】本調査:23問 (個人情報取得質問含む)
【企業】本調査:22問 (個人情報取得質問含む)
調査実施期間
2024年6月3日(月)〜7月31日(水)
調査主体
株式会社カルティブ
協力企業
株式会社エッグ、株式会社サイバーレコード、株式会社九州教育研修センター、株式会社新朝プレス、中央コンピューターサービス株式会社、株式会社新東通信、NE株式会社、株式会社ユーメディア
調査会社
株式会社アイディエーション

語り手

石野 繁一

自治体営業部 企業版ふるさと納税チーム

石野 繁一

会社・団体名

株式会社サイバーレコード

 
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