未利用エネルギー活用事業
目次
プロジェクト概要
未利用エネルギー活用事業の概要
三笠市では、平成20(2008)年より、未利用エネルギーの有効活用を目指し、石炭地下ガス化(UCG)の取組みを推進しています。現在は石炭のほか、同じく地域に豊富に存在する木質バイオマスを組み合わせたクリーンな水素製造事業として、H-UCG(ハイブリッド石炭地下ガス化)事業に取り組んでいます。水素製造時に発生する二酸化炭素(CO₂)は、地下に残る石炭採掘跡へ埋め戻すほか、農業などで利用することによって、事業全体でのCO₂排出量ゼロを目指します。この事業は、地域資源を活用したエネルギーの地産地消や新たな産業・雇用の創出によるマチの活性化を目的としています。
未利用エネルギー活用事業の詳細
1.H-UCG(ハイブリッド石炭地下ガス化)事業について
1.H-UCG(ハイブリッド石炭地下ガス化)事業について
H-UCGはHybrid – Underground Coal Gasification(ハイブリッド石炭地下ガス化)の略称です。石炭の地下ガス化および採掘した石炭や木質バイオマスの地表でのガス化により取り出したガスから水素を製造します。
なお、ガス化や水素製造時に排出されるCO₂は分離・回収し、地中に戻し入れる(CCS)、あるいは農業等で利用(CCUS)し、事業全体でCO₂ 排出量ゼロとなる水素製造を目指します。
経済産業省の外郭団体であるNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの採択を受け、現在は共同申請者である大日本ダイヤコンサルタント株式会社、室蘭工業大学、エア・ウォーター株式会社とともに「三笠市H-UCGによるブルー水素サプライチェーン構築実証事業」に取り組んでいます。
2.CO₂の地下固定化について
三笠市はかつて石炭産業で栄え、市内にはたくさんの炭鉱がありました。石炭の採掘のため、地下に通路として坑道を掘り、坑道から石炭を掘るための払(はらい)が広がっていました。
主な坑道は採掘終了後に充填され塞(ふさ)がれましたが、払跡はそのままにされることが多く、上下からの地圧によって潰れ、すき間の多い状態になっていて、かつ地下からの湧水(坑内水)などによって満たされています。そこにCO₂を細かな泡にして水に溶存させた「CO₂マイクロバブル水」や、CO₂と反応して固化する「CO₂スラリー」を圧入し、地下にCO₂を貯留・固定します。CO₂マイクロバブル水は坑内水より比重が重いため、坑内水の下に潜り込もうとします。
また地下に残る石炭はCO₂を吸着する性質を持っており、CO₂スラリーと反応して地下で固まることから、地上にCO₂が漏洩する心配はありません。三笠市はこのように、CO₂地下固定を通して、地盤構造の安定化を目指すとともに、ゼロカーボン北海道への貢献を目指しています。
なぜ寄附を募るのか
カーボンリサイクル事業に関しては、これまで基礎実験が中心でしたが、事業化に向けた実証実験を行う段階に入っています。そのため、さらなる資金や技術力が必要になると考えており、事業全体で約15億円の予算が見込まれています。
そこで本事業に関心を寄せる企業から経済的・技術的な協力をいただき、緊密に連携して技術開発を進め、事業化につなげたいと考えています。企業の皆様には寄附を通して当市と新しい関係を築き、水素の製造や活用事業、脱炭素事業に参入いただくことが可能です。
水素および脱炭素事業は、今後も重要度が高まる注目分野と考えています。新しいエネルギーとして注目される水素の活用や脱炭素社会に向けた当市の取組みに、ご賛同いただける企業を募集しています。
企業へのベネフィット
・市ホームページに企業名を掲載
・感謝状の贈呈(100万円以上を寄付いただいた企業)
自治体情報
自治体プロジェクト一覧
自治体プロジェクト動画
北海道 三笠市の紹介と企業版ふるさと納税の取り組み
三笠市は北海道のほぼ中央、空知地方南部に位置し、札幌市街から車で30分、新千歳空港からも車で1時間ほどと交通アクセスも良好です。地下にはアンモナイトの化石や石炭層が眠っており、地質学的にも貴重な地域です。
明治時代以降は「炭鉱のまち」として栄えましたが、エネルギー需要の転換とともに鉱山の閉鎖が相次ぎ、一時は6万3,000人を数えた人口も、現在は約7,500人に減少しています。人口減少や高齢化が進むなか、まちの存続と発展を目指し、持続可能な地域づくりへの取組みを進めています。
人材派遣型の受け入れ | あり |
---|---|
ビジネス集積地 | なし |
サテライトオフィス・テレワーク施設 | なし |
包括連携協定を結んでいる企業 | なし |
企業版ふるさと納税の実績
年度 | 金額 |
---|---|
2019 | 0円 |
2020 | 5,000,000円 |
2021 | 109,975,580円 |
2022 | 19,116,199円 |
三笠市の財政状況
年度 | グループ | 財政力指数 | 経常収支比率 | 実質公債費比率 | 将来負担比率 |
---|---|---|---|---|---|
2020 | 都市Ⅰ-3 | 0.2 | 97 | 8.7 | 29.1 |
2021 | 都市Ⅰ-3 | 0.2 | 92.9 | 9.2 | 24.6 |
2022 | 都市Ⅰ-3 | 0.19 | 91.7 | 9.6 | 24.5 |
類似団体別市町村財政指数
■グループの説明
都道府県 | 都道府県 |
---|---|
政令指定都市 | 全国に20ある政令指定都市 |
特別区 | 東京都にある23特別区 |
中核市 | 人口20万人以上の政令指定都市以外の62市 |
施工事特例市 |
2015年に廃止された特例市(人口20万人以上)の内、中核市に移行しなかった27市 ※1都市 上記以外の市を総人口/産業別就業人口比により16のグループに分類 ※2町村 町村を総人口/産業別就業人口比により15のグループに分類 |
■都市 のグループ(分類)※1
政令指定都市、特別区、中核市、施行時特例市以外の市を、
総人口/産業別就業人口比により分けた以下の16のグループに分類されます
人口 | 都市 | 比較的第三次産業多い 比較的第一次産業多い | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
少ない 多い | 50,000人未満 | I | 都市 I-3 | 都市 I-2 | 都市 I-1 | 都市 I-0 |
50,000~100,000未満 | Ⅱ | 都市 Ⅱ-3 | 都市 Ⅱ-2 | 都市 Ⅱ-1 | 都市 Ⅱ-0 | |
100,000~150,000未満 | Ⅲ | 都市 Ⅲ-3 | 都市 Ⅲ-2 | 都市 Ⅲ-1 | 都市 Ⅲ-0 | |
150,000人以上 | Ⅳ | 都市 Ⅳ-3 | 都市 Ⅳ-2 | 都市 Ⅳ-1 | 都市 Ⅳ-0 |
■町村 のグループ(分類)※2
町村を総人口/産業別就業人口比により分けた以下の15のグループに分類されます
人口 | 町村 | 比較的第三次産業多い 比較的第一次産業多い | |||
---|---|---|---|---|---|
少ない 多い | 5,000人未満 | I | 町村 I-2 | 町村 I-1 | 町村 I-0 |
5,000~10,000未満 | Ⅱ | 町村 Ⅱ-2 | 町村 Ⅱ-1 | 町村 Ⅱ-0 | |
10,000~15,000未満 | Ⅲ | 町村 Ⅲ-2 | 町村 Ⅲ-1 | 町村 Ⅲ-0 | |
15,000~20,000未満 | Ⅳ | 町村 Ⅳ-2 | 町村 Ⅳ-1 | 町村 Ⅳ-0 | |
20,000人以上 | Ⅴ | 町村 Ⅴ-2 | 町村 Ⅴ-1 | 町村 Ⅴ-0 |
財政力指数
- ・財政力指数は、自治体の財政面から見た体力(ゆとり)を見るための指標
- ・企業と比較はできないものの、貸借対照表(B/S)のような位置づけに近い
- ・指数が高いほど財政にゆとりがある
- ・1.0以上はかなり健全で、0.4~0.99は概ね問題なし、0.4未満は危険水域
- ・財政力指数が過去3年間の平均値1.0を超える回体は交付税不交付体となる
- ・人口と産業が集積して、税収が多い場合は比較的数値は良い傾向にある
経常収支比率
- ・財政の弾力性(ゆとり)を見るための指標
- ・企業と比較はできないものの、損益計算書(P/L)のような位置づけに近い
- ・低いほど自由に使える予算が多く、高いほど自由に使える予算が少ない
- ・低いほうがよく、100%超は企業でいう赤字経営の状況
- ・86.0未満はかなり健全で、90以下であれば問題なし、90後半以上は厳しい状況
- ・当年度もしくは次年度における新たな施策を打つ余裕があるかがわかる
実質公債比率
- ・収入(歳入)に対する借金の割合のこと
- ・資金繰りの程度を表す指標
- ・18%以上は地方債発行に国の許可が必要
- ・25%以上は単独事業のために債権を発行できない
- ・地方財政措置を受けるときなどに関係する
将来負担率
- ・将来負担すべき負債の標準財政規模に対する比率
- ・企業の有利子負債依存度のような位置づけに近い
- ・自治体の借入金(地方債)や将来財政を圧迫する可能性の度合いを示す指標
- ・市町村350%、都道府県・政令都市400%を超えると国に健全化計画の報告が必要